2017年12月21日木曜日

20171220

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夜には夜の安心があると知る。
日が暮れてしまうと、そこから部屋の明るさは安定し、それが集中のもとになる。時間がすこしだけゆっくりとなり、そのあいだにいろいろなことができるし、いろいろを考えることができる。静かに。




今日は、たくさん荷物が届いた日だった。
まず、おとうさんとおかあさんがクリスマスプレゼントに贈ってくれたストーブ。
残念ながら今日はガソリンスタンドがお休みだから灯油が手に入らず使えなかったけれど、コードをさしてないストーブの電源ぼたんをかとん、かとんと押して、イメージトレーニングは万全。

それから、さらにおかあさんから、ログハウスの一階部分をふたつに分けるためのカーテン。
おかあさんが、わざわざ二重にしてくれたので、かなりしっかりしているし、これはかなり期待できそう。
このカーテンは、がんで亡くなったみどりさんの形見分けの品。こうして、みどりさんのものが使えることは、新しいのを買ってくるよりもずっとうれしい。

そして、最後に届いたのは、井上からのクリスマスプレゼントであった。
井上が選んでくれた、エナメルのお財布。けっこうお高い……自分だったら、決心がつかないくらいのやつ。
つやつやの牛革の型押しエナメルの長財布で、色はペールピンク。とても上品。
今まで使ってきたお財布、フリマサイトで怪しい中国人から買った、デザインだけはかわいい安物の合皮のやつだったから、なんとも恭しい。
素手で触るのももったいないくらい。
しかも、メッセージカードがついている!井上が、通販で購入するときにお願いしてくれたそう。
うきうきして読んだら、なんと、スタッフとおぼしき人のかなりつたない手書きで、しかも、署名が間違っていて大笑い。井上は笑いつつも、これはあかんやろ~と言っていた。

エナメルは、色移りや劣化が出やすい素材だというので、財布を入れるためのカバーをつくる。
財布の箱を包んでいた、かなりしっかりとした布の袋、これを、裏返して三つ折りにし、サイドをお財布のサイズに合わせてミシンでだだっと縫う。
このとき、袋の入り口が、カバーの内側にくるようにすると、ちょうど入り口部分がレシート入れになるという塩梅。
最後に裏返せば、即席カバーのできあがり。
布を測ったり裁ったりする必要もないし、裁ち目もないからほつれも気にならない、これはなかなかいいかもしれないぞ。

井上の思いの乗ったプレゼント、大事に大事に長持ちするよう使おう。

そういえば、今年の我が家のクリスマスは、明日あたりにきそう。
なぜなら、半額で買った、生クリームの賞味期限が明日だから。
井上の希望と、わたしの手抜き願望が相まって、今年はスコップケーキにしようかと思って。スポンジ焼いて、水切りヨーグルトかカスタード、家でとれたキウイや残り物のフルーツに、最後にたっぷりの生クリーム!
あしたは、ストーブで暖をとり、あたたかいテーブルでおいしいごはんを食べれるだろう。

昼から夕方にかけて、散歩に行った。

郵便局によって、川沿いの道を、山で陽がかげるとこの境界線までずっと歩いていった。そして、そこで折り返し、影に飲まれないように速足で歩きだしたけど、自然のスピードには、もう全然かなわなかった。
夕暮れが山に映える。そのなかで聞く、井上が名古屋で一人暮らしをはじめたばかりのころの、静かで、ひたむきで、せつなくて、どこか明るい、ひとりぼっちの暮らしの話を聞いて、わたしは心がぶるぶると震えたようになった。
井上が、自転車で走り回ってつくった地図、それが張られた団地の壁、そういうものの気配まで感じるみたいだった。
それは、ランプの明かりにもにて、だだっぴろくて一寸先は闇の世界を、手元と足元だけ照らすもの。
そうしてお互い懸命に歩き回っているうちに、わたしたちは出会ってここまでやってきたのだということを、あらためて奇跡そのものだと思う。



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2 件のコメント:

  1. 灯油を入れるポンプは以前の洪水で泥まみれになってしまったので、ほかの高価な電化製品とともに捨ててしまった。

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  2. あっ、やっぱりそうだったんですね。
    ストーブ、大活躍です。
    この家のことがもっと好きになりました。

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