2017年12月23日土曜日

20171222

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オーブンの窓の茶色い窓の向こうで、ふくふくと膨れていくスポンジケーキ。
スポンジケーキは、子供のころ、何度も何度も何度も焼いたから、今でも得意。わたしが料理や製菓が好きになるきっかけでもあった。

スポンジケーキの味が好きだったのではなく、卵を泡立てていくと、何倍にももったりと大きく膨らんだりする不思議や、練らないようにさっくりと混ぜ合わせるその手順の美みたいなものや、ふっかりと型から外れる、その達成感が好きだったのだ。




じつは、まだストーブが動いていない。
昨日、一昨日と、ガソリンスタンドが休みで、今日はいざ!という感じで18Lのポリタンクもってガソリンスタンドに灯油を買いに行った。
素手で持っていったら、まぁ重いこと。わたしが運ぼうとしてもほとんど進まないので、井上が主に持って、わたしがそれを支える形で持ち帰った。徒歩5分程度の距離が、あれほど遠く感じたことはないなぁ。
そして、持ち帰ったものの、灯油を缶に移し替える、あの、赤と白のポンプがなかったのである。ポリタンクは、ログハウスにも、おばあちゃん家にもあったのに……。
おとうさんとおかあさんが使っていたのは、大阪にあるのかしらん。

なので、準備を万端にしておく。
お墓のとなりの山の道沿いの笹を一本いただいてきて、枝や皮を落とし、大きさを測ってカットしておく。
そして、それにおかあさんが送ってきてくれたカーテンをひもで結びつけ、最後にL字フックで壁にかけたら、一階を半分にするようにカーテンができる。

なんとも説明しにくいのだけど、ログハウスの一階は約半分くらいのところで、壁がインドの寺院の屋根みたいな形にくりぬかれる形でつながっている。
カーテンで、キッチン&ダイニング側と、玄関&ピアノ&暖炉側に分かれたことになる。玄関のほうは吹き抜けなので、並みのストーブでは温まらないので、これで効率的にキッチンと食べるところだけ温めるというわけ。
明日買い物に出て、絶対ポンプを買ってこよう。

夕方から、ケーキの準備。とはいえ、あまり凝ったことはしない。
数日前は、スコップケーキにしようと思っていたんだけど、よく考えたらガラスの深さのある容器がないのだった。
なので、急きょ、グラスパフェにすることとする。

昨日、ヨーグルト450gにはちみつとレモン汁を混ぜて水切りして、レアチーズみたいにしておいた。
今日は、まずはスポンジケーキから。2カップ分に敷き詰めるだけあればいいので、卵一個でいいくらいなのだけど、せっかくなので2個分で焼く。
レシピを確認しなくても、分量も手順も焼成温度も体で覚えている。
スポンジケーキを焼いている間に、リンゴ1/4を薄切りにして砂糖とレモン汁で煮りんごにして冷ましておく。キウイとバナナを輪切りに、みかんを一個分、薄皮をむいておく。
スポンジケーキが焼けたら、冷ましている間に電子レンジでかんたんにできるカスタードクリームをつくって、あとは生クリームを泡立てる。

グラスの側面にスライスしたキウイを貼り付け、そこにちぎったスポンジケーキを敷き詰める。シロップは省略して、水切りしたヨーグルトと煮リンゴ、またスポンジケーキ、そのうえにカスタード、スポンジケーキ、生クリーム、フルーツという風に単純に重ねるだけ。

それぞれの甘さが控えめでちょうどよく、とてもおいしいグラスケーキになった。
でも、いちごがないのでまったくクリスマスという感じがしないのがたまにきず。

わたしがケーキを作っているあいだ、井上がキッチンに棚を増設してくれる。ログハウスは、壁がログなので、棚をつけるのが難しい。
井上は器用に、残り物の板と、ベッドを解体して出た細い木の棒を添え木にして、見事な棚をつくってくれた。
調理家電が、我が家はとても多いうえに、どれも使用頻度が高いからしまい込むことができない。炊飯器も二個あるし、ホットサンドメーカー兼ワッフルベーカーやホームベーカリー、フードプロセッサーなど。みんな居場所を得てしっかりと落ち着いたよう。
とっておきの場所に落ち着いた家電を見て、にやにや。
今度は、寝室に、仕事中に飲むお茶を置く棚を、2人のちょうど手の届くあたりに作ってくれるんだって!

夕方、井上と郵便局へ記帳と、ばあちゃんちにポンプを探しに行く。
郵便局の入り口の前に、三毛猫が座っている。ギャル(柏原でおとうさんとおかあさんが飼っている猫)と同じ柄。同じ遺伝子かも。
逃げるかと思ったら、井上が差し出して手に、自分から頭をこすりつけてくる。
中から出てきたおじさんが、笑いながら「ついてきたんや、その猫」と言って立ち去ると、猫も、おじさーん、待ってー、という感じでとっとっとっと、またおじさんの後をついてった。
うーん、ああいうひとなつこい子は、ぜひ飼われてほしいなぁ。

ばあちゃんちにポンプはなく、そのかわり小さな小さなかわいい竹ざるを発見したので持ち帰る。
空は、今まさに、完全な夜に向かって急速に落ちていくところ。
ああ、そうだ、今日は冬至だったっけ、と思いだす。今日が一年で一番日が短い日。
井上が「でも、今日が一番日が短いっていうのは希望やよなぁ。あとは日が長くなる一方やもんな」と言った。
わたしもまったく同じことを思っていたし、その言葉の発音や息の混じり方が柔らかかったので、とてもうれしい気持ちになった。


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