雨のち晴れ、地のめぐみ、血のめぐり

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強い雨に叩かれると、地面は底の底の方からごーっと低い地鳴りを起こす。




それは地下を流れる水の音なのか、それとも、ただの雨音の重なりが、そう聴こえるだけなのか。夜の雨は好きだ。まとまった雨が畑やきつねづかのちいさな苗木の根っこの一本一本に沁みていくのが感じられるよう。ずーっと目を閉じていたい。眠りと起きているあいだが滑らかに繋がっていて、そのどちらでもあるような感じ。

気が付いたら、朝になっていて、もう雨はすっかり上がっている。木や草や花の雫がきらきら光っている。夜のうちに吸った水を表面にたたえ、なんだかぷるぷるしている。

新しい、と思う。全部が新しい。秋だからかな、すごくスピードが速くて、わたしはすこし置いて行かれそう。

母の再手術があって、また数日ログハウスを離れていて、気が付いたら、ほとんど今日だった。もちろんその間のいろいろをちゃんと覚えているし感じているけど、でも振り返ると、実家から帰ってきて、次の日は、今日の朝、って感じだ。昨日の夜の雨が間にあって、なめらかに繋がってしまったみたい。

畑は、命がみなぎっている。

9月、種を蒔いたときは、あまりに何もかもが手探りで、正直こんなにうまくいくとは思わなかった。もっと、何にも採れなくて、苦労するかと思って。種を蒔いたそばから、ずーっと雨で、徒長してしまったものも多かったけど、野菜たちは、負けなかった。

秋晴れが続くようになるとぐんぐんと空へ向かって伸びだして、どんどん大きくなる。10月終わりくらいから、スーパーで買う野菜の量はぐーっと少なくなった。

間引き菜を食べていたと思ったら、今はもう立派な野菜になっている。
小松菜、ベビーリーフ、サラダ菜、水菜、ルッコラ、春菊、チンゲンサイ、ターサイ。ごはんの用意のたびに畑に行って、その都度分を採ってきて使う。
それは、ささやかなわたしたちのひとつの夢だった。それを、野菜たちにかなえてもらっている。わたしたちはなんにも育てていなくて、野菜が一生懸命育ってくれている、という感じ。

本当にありがたくて、頭が上がりません。

今日、こうしてブログを書けると思っていなかったから、写真を撮ってなかったので、きっと写真を撮って、またアップします。

みかんも柿も、すっかり総採りをした。そう言っている間に、柚子が最盛期。今年はゆずの当たり年のようで、ごろごろと大きく果汁の詰まった柚子がいくつも実っている。柚子酒、柚子茶、柚子ピールに、柚子ポン酢。作りたいものは多いんだけど、何せおいついていない感じ。


今日に着地するまでの間、頭のなかをいっぱいたゆたっていて、いろんなイメージや、やりたいことが見えたりした。それは、周りからしたらえーってことかもしれないけど、わたしにはすごくしっくりくる感じだった。
やれることと、やりたいことと、やるべきことのバランスが、少しずつ、整ってきているのかも。

音楽も、お金のことも、そのひとつで、ささやかながら、少しだけわたしたちの暮らしは上向きつつある。

このあいだアップしたlamp lightのあと、すぐに次の曲も録音して、体調が戻ったら、またすぐに次の曲の準備もできていて、あとは動画を撮るだけ…と、だいぶリズムがつかめてきている気がする。
井上が、何より、毎日ほんとうにこつこつと練習を繰り返し、着実に先に進んでいくから、わたしはそれを楽しんでついていく。

ふたりぶんの広告収入も着実に増えてきているし、アルバイトやその他もろもろを組み合わせて、なんとか形になっていけるかも。

これからのことを話しをするのが、とても楽しい。
このあいだは、NYに、窓の大きな気持ち良い古いアパートを1室買って、セントラルパークの野外音楽ライブを見に行こう、コーヒーとプレッツェルを買って散歩しよう、などと、好き勝手楽しい話をする。
うーん、今でじゅうぶんだけど、もちろんNYにもう一部屋あったって最高！
わたしたちは質素で、どこまでも欲深く、楽しくここで生きています。

ちゃんと、また、ここに帰ってきたから、またこつこつ更新をはじめます。いろいろ書くことがたまっているから、どうかあしたもあさっても、遊びにきてください。

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