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脳にちいさなあかりが灯っている。
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寝られなくて、朝の8時くらいにうとうとして、昼前に起きる。眠くない。昼ごはんをつくる。
井上は、暖炉に火をくべて、薪を丁寧に燃やしている。部屋中がこんもりあたたまり、こちょねがのんきに身体を伸ばしてあくびする。
大阪のおとうさん、おかあさんから宅配が届いた。食材に混じって、このログハウスを作っている過程を撮った写真が出てきた。「捨てるから」と書かれていて、わたしはそれに参加していたわけでもないのに、さみしい気持ちになった。
写真の中で、十数年という月日が流れ、おとうさんとおかあさんはあんまり変わらないけど、井上とおねえさんは、子どもから青年に変わっていく。石垣が詰まれ、丸太が詰まれ、家ができあがっていく。きつねづかの木が切られ、新しい木が植わる。
もし、後に残せる宝物があるとすれば、それは思い出なんじゃないだろうか。
日中に、できあがった原稿を編集に送り、鶏ガラを煮だして透明でおいしいスープをとる。静かすぎる時間に睡眠不足を身体が思いだし、2階で横になった。
井上のピアノで目を覚ましたらもう夕餉の時間。外はすっかり暗くなって、空気がしーんと冷たい。ふらつきながらごはんの準備。
まぐろのカマの塩焼き、焼き茄子、アボカドと卵のサラダ、練り物をあぶったの、それからとったばかりのチキンストックで作るやさしい味のスープ。
ベーコンの切れ端ちょっとと、玉ねぎ1/6個分を賽の目に切ったものをことと煮込み、やわらかくなったら、軽く全体的に玉ねぎをお玉で潰す。ひとつまみずつ塩を加えて味を調え、最後に卵白を流し入れ、こしょうを挽く。口当たりも味も全部が丸いスープに、ごくごく少量の庭でとったパセリを刻んでできあがり。
じんわりと波紋のように広がる味。
本を読むのが楽しすぎてやめられない。図書館で本を借りて読むのはわたしにとって最高の娯楽になった。本があれば、田舎も都会も関係なく、そこはとても開かれた場所になる。
読みながら、わたしは10代の感覚に戻っていく。これは、10代のころの記憶が思いだされる、とかそういうのとはちょっとちがう。感覚自体が退行して、過敏になったり、どうでもよくなったり、不安定になることでバランスをとっていたあのころの自分になるという感じ。
米のとぎ汁を2食分とっておき、湯船に注ぎ入浴剤として使う。ホホバオイルも少しだけ垂らして、肩までゆっくりと沈める。身体そのものが半透明になったみたい。
寝不足が功を奏して、日付が変わる前から心地よい眠気を鼻の奥や首の後ろに感じる。これで、明日は早起きができるかも。早寝早起きで健康的な生活を送ることが、目下の目標だ。あとはどうにでもなる気がする。
やわらかい夢が見れるよう、ベッド横のランタンを灯す。灯りを消すとき、頭のなかに灯った火も吹き消して眠る。
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