すっぱい雨

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昨夜、突然の悪いしらせで、朝方まで眠れなかった。外が青白く明るくなっていき、ちょうど隣でねむる井上の顔がはっきり見えるようになったころ、雨が本格的に降りだした。

睡眠のリズムがおかしくなってしまったみたい。お腹も痛いし、風邪の時に戻ったように、やはり一日中、まどろんで、時々起きて、ごはんを作って、トイレに行って。

毎日とか日常とか、そんなものは脆いものなのだと、こちょねの病気騒動あたりから、ずっと考えている。

圧倒的庇護者だった祖父母も両親も歳をとり、だんだん、守られる側になっていく。自分がいつまでも子供でいられないということ、に気付き、もう子供ではないと思っていたけど、まだ大人になってもいなかったことにも気づく。

わたしは、変に冷静だった。自分が冷たいと思うくらいに。というか、きっと実感がないんだろうな。
雨は一日降り続いた。

井上は、わたしが求めるたびに、優しく抱きしめたり、身体を揉んだりと労ってくれた。

それを、あたりまえとけして思わないように。

【朝】

バゲットとカレー

【昼】

炊き込みご飯を、それぞれ各々が好きな時に

【夜】

ヒレカツと千切りキャベツたくさん

がんもどきと小松菜の煮物

ねぎ納豆

わかめと豆腐のお味噌汁

白ごはん

夜、片付けのあと、お母さんが教えてくれて、材料までそろえてくれたレモン酢をつくる。

知らなかったけど、流行っているんですね。大阪の家で飲んだら、美味しくて、のどに良い感じがしたので、うちでも常備したくて。

レモン二個、氷砂糖200g、お酢400cc、基本のレシピで。

井上が明日は晴れると言う。それがとても嬉しい。

洗濯物をして、草を抜いて、なんならケーキや、パンを焼いて。ピアノが聴こえていて。いつ死んでしまうかわからない儚い世だからこそ、そういうことを喜んでいたいと思う。

さぁ一仕事して寝ましょう。生きていく糧。

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